アキバ系セレブリティ

きのこ 第三章・スギタさん、倒れる

アキバの深淵を覗き込んだような気持ちになって、私は他人に「アキバ勤務」について積極的に話すことが少なくなりました。イタ車だろうがメイド喫茶だろうが結局、そんなものは商業主義的表層にしか過ぎない。他人に勤務地を聞かれたときは「神田」とだけ答えました。(千代田区外神田だから、間違いではない)

そんな時、スギタさんが倒れて救急車で運ばれました。
一同、青ざめました。業務的な意味で。
彼の担当しているソフトウェアのリリースまでもう時間が無い…
わが社は基本的に質の割には安いというのが売りなんですが(どちらも飛びぬけているわけではない)、それはコアスタッフが少ないのと、そもそもすごく少人数の仲良しでチーム組んで短期間でやるからです。だから一人でも欠けるとものすごく苦しくなる。特に開発も後半になると「○○さんの代わりに●●さん」みたいなリプレイスが効かなくなります。他人の作業を引き継ぐのは、引継ぎ作業が発生する分効率が悪いですし、案外この「仲良し」というのが重要です。後で人を頼んでも、私やマツバラさんと相性が良い人が来るとは限らない。プログラム系は特に、他人のものは組みにくい。
結局海外にいる社長が慌てて補助に入ってくれて、事なきを得たのですが、入院した原因を聞いてさらに愕然。

個人輸入で、女性ホルモン買って飲んでたのが良くなかったらしい。
ちゃんとした病院に、と社長にお灸をすえられた様子。
…え?それだけ??

マツバラさんとタケイさんが真剣に何かを話し合ってます。
タケイ「あ、ねえ、ちまきさんなら仲いいから知ってるかも」
『なんですか?』
マツバラ「スギタ君って、下着なにつけてるの?」
『はあ?トランクスとかブリーフとかってこと?』
タケイ「いや…女性下着の可能性もあるから…」
『……』
なにこの屈託のなさ。
「性転換ブログ」はあっても「同僚がおかまです。」はブログとして新しい。新しいと言うか需要がないだろう!

しかし私は無邪気にそれを受け入れられませんでした。
私は自分が「やっちゃった」ことを知っていました。

その数ヶ月前に、スギタさんに「子供がいる人生ってどんな感じ?」って聞かれました。
今明かされる事実!!私が無職だった二年間というのはつまり専業主婦をやって妊娠出産をしていたわけです。
『あー…なんだろう…別に特別ほしかったという訳でもないし…というか今でも他人の子供は基本的に嫌いですよ。』
私はものすごく適当にあしらう感じで答えてしまいました。


2008年04月26日 14:28
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